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ハコ物館展
ブツ カン
“ハコ物館”作家・コケ丸の
ブツカン
Exhibition “A Tiny Museum in a Tiny Box” Vol.3
ちいさなハコに大きなワクワクを
2025.9.3 wed - 9.14 sun.
12:00 - 19:00/日曜18時まで/月・火休み
野山で拾ったコケや種、海で見つけた漂着物、
はたまた暮らしの中でゴミとして捨てられるモノたちを、
ちいさな箱にタカラモノのように収蔵。
そんなちいさな博物館を「ハコ物館」と名付けて制作しています。
今回はVol.1でお見せできなかったハコたちをメインに
お届けします。









ハコ物館とは
● ハコ物館のはじまり ●
昔から古い紙や包装紙にはじまり、ガムの包み紙や靴を買った時にくるんであるあの薄い紙(converseとか)、植物の種子、コケや地衣類などを集める癖がありました。そこにはこころ動かされたささやかな感動があったからです。ファイリングしたり、ジップロックで保管しつつ、誰に見せるでもなく、まさに「我楽多」が増えて行きました。


2021年春。実は割と最近です。
学生時代の恩師に「ビーチコーミング」に誘われます。コーミングとは櫛のコームのこと。ビーチを梳(くしけず)るように歩いて漂着物を拾う遊びがあり、世界中に愛好家がいます。もちろんビーチコーミングの沼に落ちてゆき、漂着物も溜まっていきました。

ある日、その恩師と話してると、机の上にそっとキャラメルの箱を差し出されました。スライドさせた中から出てきたのは、ビーチコーミングで拾った「黄色いモノ」たち。それだけでしたが、それはただただ美しく箱の中にありました。
● 南方熊楠と変形菌の標本箱 ●
和歌山に生まれた変形菌(粘菌)の研究者、南方熊楠(1867〜1941年)。「知の巨人」と呼ばれる人です。彼が変型菌の標本110点をキャラメルの箱11個に入れて、昭和天皇に献上したというエピソードもあります。
こうしたヒントをもらいつつ、今まで拾ってきたモノを様々な箱に入れて小さな「ハコ物館」を作り始めました。「ガラクタ」の見せ方と伝え方を手に入れたのです。集めていた古い紙や様々な質感の紙も、ハコに貼ることで第二の居場所を得ることができました。


ロウ引きした紙袋やお菓子の包装紙など。溶かしたロウを染み込ませると、紙は半透明になり向こうが透ける。
● 拾ったモノから視点を変えて ●
拾ったモノをハコに入れることの他に、次第に暮らしの中にもハコ物館に収蔵すべきモノを発見していくようになりました。例えば、輸入フルーツに貼ってあるシール(PLUコード)。数字にそれぞれ意味があるのはもちろん、よく見ると原産国やフルーツによって様々な種類があり、貼られるフルーツの表皮の色と合わさって初めて完成となる特殊なシールです。

シール帳。ヨード卵光のあのシール、Amazon配送時に貼られているシールなど、あらゆるシールをストックしている。
「貼られる」ことでその機能を全うしたシールたちを、UVレジンでコーティングしてバッジにしてハコに収蔵。
あるいは、日々世話になることが多くなってきた薬の錠剤たち。ひとつひとつに製品名がレーザー刻印されています。この技術はすごい!そして、意味をもたない(もたせない)薬のネーミングも可愛らしかったりして、これは収蔵しておきたい!など、普段何気なく目にしてるあらゆるものを、ハコ物館の収蔵品という目線で見るようになっていきました。

